ブラームス
私は、性格的に破綻していた高校~大学時代はマーラーに傾倒していたが、大学で論理や形式の重要さを思い知らされ、さらに卒業後、社会人としての経験を積まされてからは、しだいにブラームスを味わうようになっていった。
マーラーに比べれば、ブラームスの作品は古典的であり、形式的彫琢の度合いが高い。しかしながら、それでいて内面的なエロスというか情念は、その卓越した形式の中に封じ込められ、燃焼し続けているのである。その熱さ・暗さたるや、マーラーに劣るものではない。
私は今でもマーラーは好きだが、ブラームスも聴けるようになったのは30代になってからだ。10~20代の私は芸術的にもコミュニケーション的にも形式的破綻を喜ぶようなところがあったから、ブラームスなんて退屈で聴けなかった。しかし、これからはブラームスも、大切な心の友のひとりとなるであろう。
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